大学院生の生活(博士)

2008年度博士入学 坂本 佳奈子

私は博士課程に進学するか、就職をするかで迷っていました。就職活動を行い内定も頂いていましたが、決断をすることはできませんでした。修士課程でも非常に多くの素晴らしい経験を積ませて貰っておりましたが、自分の力でやり遂げたというよりは、先生に頼りきりの状態でした。失敗したとしても自分でぶち当たり、ひとつのことをやり遂げてから、社会に出たいと強く思うようになり、博士課程への進学を決意しました。

博士課程の普段の生活は非常にシンプルです。受けたい授業があれば受けることはできますが、卒業のために必要な授業というものは存在しません。自分の研究を日々行い、成果を出し、まとめればいいだけなのです。そのため、休日というものも特に関係ありません。分析が続けば、日曜も関係なく大学に行き、逆に休みたいと思えば平日でも好きなだけ休むことができます。夏休み・冬休みなどの決まった概念もありません。自由に自分で決めることができます。ただし、自由であるということは、それだけ自分に責任が生じます。決まった日程などはないため、自分で計画し、それを実行していかなければなりません。授業などの強制力があれば、それに従って行えばいいですが、自由なわけですから、何も考えていないと、もちろん結果は出ませんし、博士号取得はできないということです。しかし、授業などはないわけですから、自分のやりたいことのみに没頭できるため、思う存分やりたいことにだけ時間を使えるというのは、本当に貴重な時間であると思います。

理論分野・分析系の研究室などでの違いはあると思いますが、学内の施設に限らず、他大学や共同利用の分析施設に赴くなど、博士課程では、出張が多いことがあげられます。3年間かけてひとつの研究を行うわけですから、学外の装置なども利用する必要が出てきます。アポイントを取り、初めて会う人々とコミュニケーションを持ち、自分が行いたいことを説明し、慣れない機器を使い、しかし限られた時間の中で結果を出す過程は、非常に大変ですが、やりがいのあることでもあります。ここで得られた経験は、研究に限らず、社会に出た後でも非常に役に立つ有意義な経験になると思います。また、学会発表なども、国内だけでなく、国際学会にも参加する機会があります。もちろん英語での発表です。私は非常に英語が苦手ですが、先生方や多くの人々のサポートにより、発表することができました。先生や先輩方の沢山の指導やサポートはありますので、苦手なことでも頑張れば何とかなりますし、ステップアップできる良い経験になると思います。

好きなことに没頭できる時間というのは、『学生』という時期にしかできない“特権”ですので、何かに没頭したいという方は、覚悟を決めて腹をくくり、チャレンジしてみるのも良いのではないかと思います。自分の好きなことをとことんまで追求し、没頭する中で見識を深めるのには、博士課程で過ごす時間というものは、非常に濃く思い出深い時間となるのではないでしょうか。